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こうして衛星の軌道楕円の形と大きさ、そして、ある時間に衛星がその楕円上の何処にいるかを表わすには3つの要素、楕円の長半径と偏平率、そして近地点通過時間があればよく、そして、それらを使って任意の時間の衛星位置が楕円を含む平面上において、地球中心を原点とし近地点の方向をX軸とする直交座標系で求められることを示した。つぎの問題は、この楕円が地球に対しどのような関係位置にあるかということを表わす必要があるが、楕円の1つの焦点と地球の中心とは前述のとおり一致しているということはすでにきめられており、衛星は地球の自転には無関係に慣性空間中を同じ運動を繰返しつつ、地球とともに太陽のまわりをまわるということを頭に置いて考えることになる。
このとき、軌道楕円と地球との関係を立体的に規定するには、3つの角度のデータによって表現することができる。それらの角度は昇交点赤経Ω、昇交点経度ということもある(Longitude of Ascending Node)、近地点引数ω(Argumentof Perigee)、赤道に対する傾斜角(Inclination Angle)の3つで、それぞれ図2.2に示すとおりである。すなわち衛星が地球の南半球から赤道面を横切って北半球に移るところの点を昇交点(逆に北から南へ赤道面を横切る点を降交点)といい、その昇交点の方向と春分点との間の角度が昇交点経

 

 

 

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